我家の庭の真ん中に幹周り60cm余り、樹高3.5m程の松がある。昭和48年、兄の仲介で買った分譲地に、姉が記念にと植えてくれた1.5mの苗木から育った生粋の地主松である。
7年間は空き地で日夜風雨に曝され、家が建ってからの10余年は日陰の片隅に放置されてきた。ようやく庭の体裁を整える段になって、風雨に耐えた曲がり具合や、苦節の枝振りが植木職人に認められ庭の主役におさまった。
以来、毎年植木職人の手を煩わせ整枝整形されて何とか一応の容姿ができた。そして数年前から始まった主の気まぐれな剪定もそろそろ一人前になり、今の樹形は維持できそうである。
いつまでもお互い元気で、我家の平穏を見続けていきたい。
「 小さき松 植えし彼の日を 今大樹に
なりてしみじみ 若芽摘みつつ 」
「松の芽を 摘みつつ過ぎし 日を想う
枝の高きに 幹の太さに 」
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