スコットランドにキースという小さな町がある。シーバス・リーガル等の蒸留所があるスコッチ・ウィスキーの故郷である。ここで泊まったB&B(ベッド&ブレックファスト)は大正解だった。
シーバス・リーガルの出荷貯蔵所を望む緩やかな丘の上に立つ農場主の奥さんがB&Bを取り仕切っている。60歳ぐらいの人のよさそうなおばさんは、部屋を2〜3室見せながら、「応接間、食堂、それからパソコンもインターネットに常時接続してあるので自由に使ってよい」とのこと。そろそろ娘とメールを交換したいと思っていた身に、この申し出は魅力的だった。値段も二人で一泊46ポンドと安い。子供が既に巣立ち、空き部屋がある場合、改装などしてB&Bを経営する老夫婦は多い。この夫婦も二男一女が巣立ち、それぞれそれほど遠くない距離に世帯を持って住んでいるとのこと。
言葉に甘え、インターネットを利用し、久しぶりに娘、友人とメールを交換。あらかじめアップしておいて貰った9ヶ月になる孫の成長写真もフォトアルバムで楽しむことができた。ついでに東燃OB会のホームページを見る。因みに使っていたソフトはウィンドウズ98であった。こうしたFarmB&Bの良い点は、街中のB&Bと違い、部屋が広いこと、おまけに応接間、食堂などを開放して自由に使わせてくれるなどおおらかなことが魅力である。
また、朝食もジュース、シリアルに始まり、ソーセージ、ベーコン、マッシュルーム、トマト、ビーンズ、目玉焼きが盛られたホット・プレート、トースト、フルーツといったフル・ブレックファストが楽しめる。量がたっぷりある上、味もおいしい。
これが病みつきとなり、これ以後、街中のB&Bには見向きもせずFarmB&Bを探し歩くことになる。そのために見当をつけた田舎道をFarmB&Bを求めて彷徨うこともしばしば。宿の決定が 遅れがちになった。しかし、その甲斐はあったと思っている。これ以後にも何回もすばらしいFarmB&Bに行き当たることができたのだから。(続く)
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