私が初めてこの観音寺を訪れたのは、41歳のとき厄除け祈祷のために参詣したときである。
それ以来30有余年、旧暦の初午には厄除け祈祷のために、私を含め家族の誰かが参詣している。
長田観音寺は、和歌山県紀の川市別所にあり、真言宗如意輪山蓮華院観音寺といい、「厄除け観音」で知られている。
この観音は1585(天正13)年の豊臣秀吉の根来寺攻略のとき、寺のほとんどが焼失したが、本尊の如意輪観音が焼け残ったとされる。
その後、元和年中、沙門道誉により再興。寛文年間に初代紀州藩主徳川頼宣公により現在地に本堂が建立され、永世厄除祈願寺としたということである。
旧暦の初午や二の午にはJR和歌山線の紀伊長田駅から本堂まで厄除け観音参りの人々で賑う(今年も大雨にもかかわらず大勢の参詣客で賑わった)。
また、参詣道の両側には、食べ物や包丁、鉈、鎌等の金物、竹製品等の出店が所狭しと立ち並び、その裏側には、金柑、南天、五葉松等の各種苗木を売る店が並び、店の人と近隣の人達との駆け引きを聞くのも面白い。
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