谷川岳の歌:一の倉より春の陽あがりゃ友よ目覚める底雪崩。
M氏の飲み仲間9名が「昼は紅葉、夜は紅顔で楽しみましょう」と言う企画幹事の名文句に誘われて10月14日水上温泉に一泊二日の旅をした。
新幹線の車中で早くもお楽しみの茶話会が始まり、あっという間に上毛高原駅に瞬間移動して、そこから谷川岳経由の観光バスで水上駅まで行く。
谷川岳の麓は紅葉にはまだ早かった。22名乗りの大型ロープウエイで着いた天神平山頂駅は見事な紅葉に彩られてはいたが濃いガスの中で急峻な谷川岳の絶景も見られず、本来ならば「あれがトマの耳こちらがオキの耳」と皆さんぐんと想像力が逞しくなる。
旅館『檜の宿 水上山荘』の食事は11品目39種類の豪華な料理と器で、地元窯月夜野焼きの平徳利で熱々の岩魚酒を酌み交わし、米沢牛シャブシャブの肉の多さに感動しながらもたっぷり入ったマツタケ御飯をお代わりした前期高齢者もいて驚く。
食事の後は、「元気なうちにしたい事はやらねばならぬ、自分はもちろん女房が倒れても何も出来なくなるよ」との会話から始まり、遺言状の作成やら葬儀はいかにあるべきか等、まことに年代にふさわしい深遠なる話題となり、奥利根川のせせらぎに心を安らぎながら夜が更けていきました。
翌朝は睡眠不足の目に滲みるような晴天に恵まれて、宿の近くの天一美術館に行く。
ここは銀座の天婦羅料理「銀座 天一」にゆかりのある画家や陶芸家の作品を展示しており、岸田劉生の「麗子像」を初めとして佐伯祐三、安井曽太郎、熊谷守一等有名画家の作品が多数収められて居る上に、ハーブティーのサービス付き入館料千円はお得感があり一同芸術の秋を満喫した気分に浸る。
仲居さんのさりげないサービスと豪華な食事、我々だけで貸し切りか思わせるほどの閑静さと、野趣豊かなかけ流しの露天風呂、ロビーからの谷川岳の眺望等に一同大満足し、ぜひ又来たいと言う想いを残して宿を後にした。
以上
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