2008年2月、大雪山旭岳に登頂し、深田久弥が選んだ日本百名山の完登を果たしました。
エベレストにも登り、毎年北極に通っている著名なガイドさんが企画していた雪山講座に誘われて出かけることにしました。受講者は二人。百山目の最後くらいは格好よくなんて考えたのが不運のもとでした。
前日の好天と様変わりの濃霧と吹雪の中、マイナス30度の世界を満喫してきました。
若い時から仕事の合間に休暇をやり繰りし、北アルプス中心に登山を続けてきましたが、60歳代になって退職したあとの暇つぶしをどうしようかといろいろ思案した結果、日本中の著名な山を一回りしてみようと思い立ち、百名山を目指すことにしたわけです。
65歳までに、30座ほど登っていました。残りの70座は、66歳から71歳までの約6年間に登ったことになります。
山登りをしていると、「どうしてそんなしんどい山登りを続けているの?」とよく聞かれましたが、そんな質問になんて返事をすればいいのかと答えに窮していました。
苦労してやっと頂上に立った感激、さわやかな緑の森や美しい紅葉の中を歩く楽しみ、純白の雪山などでの自分の体力の限界への挑戦、などなど。どれもその回答の一つといえますが、一言で言うことはとても難しいことです。昔、ジョージ・マロリーが「そこに山があるから」とだけ答えたとされていますが、意味深い答えと思います。
多分、現在の私自身の答えは、生物の一員として大自然の中に溶けこんでゆくと、このうえなく無心になれることがうれしいと感じるということだとおもいます。
日本の山の良さは、世界の高山と比べると、ほとんどの山に頂上へ登れる道があることです。これから山を目指す方は、日頃体力増強につとめ、きちんと装備を整え、くれぐれも安全第一に行動するようご留意下さい。
以上
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