お得意の絵画を始め、多趣味・多才で知られる廣川さんが、新たにキノコの「原木栽培」に取組まれていると聞き、初めてお宅の圃場を見学したのが3年前の10月でした。
「キノコ圃場」は 畑の一角に、遮光設備や給排水・通気・防護柵など 出来るだけ自然の山の環境を保つ工夫がなされて作られていました。その時は、ヒラタケやヌメリスギタケなどが最盛期でした。
廣川さん宅のリビングルームの棚などには、沢山の「殺菌処理を終えて植菌した原木」が、ビニールの培養栽培袋に包まれ 白い菌糸が育って真っ白になっていたのが印象的でした。
2回目の圃場訪問は、先日 別の会合でお会いした折り「マイタケ(舞茸)が発生したよ! 美味しいから採りに来て」とお誘いを受けました。早速 家内と9月16日に再度訪問しましたので、その時の様子を報告します。
年季を積み上げ精進された成果でしょうか、最も難しいといわれる「黒舞茸」が見事に発生していました。大きいのを採取すると、その重量感・香りを 手のひら一杯に感じる事が出来ます。
正直、素人がここまで出来るものかと感動しました。廣川さんのキノコ圃場は全て原木栽培、完全無農薬栽培です。原木栽培は菌床栽培に比べ、味・香りが濃厚ですから 美味この上ありません。
今回取材した内容を要約すると
1)キノコ栽培の動機は、10年来の趣味である「山でのキノコ狩り」から発展。また、近所に「きのこ栽培研究所」の先生が居られ、直ぐに弟子入り? 出来たことらしい。
2)原木きのこ栽培の実績は、ヒラタケやナメコなど10種類になったとのことでした。
3)栽培の大まかな手順は
・原木の入手(長さ15センチ程度に切る)
・原木を培養栽培袋に入れ、圧力釜で1時間程度煮沸し殺菌
・常温になったら、種菌(業者から購入)を 植菌する(冬2ヶ月ほど毎日)
・密封して約3ヵ月~半年間 室内に置き、その後、畑に伏せ込む。
*何が大変かと伺うと、まず原木の入手で 秋の伐採現場を駆け巡り伐採依頼があったら、自らチェンソーで伐採するとのこと。それから 雑菌の殺菌と、雑菌混入防止対策だとか。
多才な廣川さんには、心底 驚かされます。今年5月末から開催された 氏の「スケッチ風景画」の個展会場では、重鎮画家風情で泰然とした風貌、今回の圃場訪問では全くの農夫然の風貌です。まあ、何をやらせても一流ということかなー。
帰りには 舞茸の外、前日に富士山麓で採取したという雑キノコも沢山いただき、当然のようにキノコ料理法のレシピを教わって帰りました。焼きキノコ・てんぷら・いため料理・舞茸ご飯で、当夜の酒量が倍増したのは当然です。
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