10月15日、清水港に帆船日本丸、海王丸が10年振りに同時入港した。 入港中は船内の一般公開に加え、セイルドリル(全ての帆を拡げる訓練)が実施された。埠頭は見物客で溢れ、県外ナンバーも散見される周辺道路は大変な渋滞であった。
19日には、実習生がマストに登り、帽子を振って、大声でごきげんようと叫ぶ、登しょう礼で見送りの人々に挨拶して出航して行った。
さて、日本丸や海王丸の実習生を教育する、清水高等商船学校が清水港の湾奥の折戸に ー私が生まれ育った地であるがー 戦時から戦後にかけて在ったのをご存知の方は多くないかも知れない。折戸から三保に至る広大な敷地に教育棟、学生寮、ボート訓練桟橋、教官官舎などが点在した。戦後、米軍の小型飛行機が着陸したことも記憶にある。
この高等船員教育がなされた輝かしい歴史的事実が、航跡の大海に消えるが如く、雲散霧消してしまうなら、寂しい限りである。
以上
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