氏 名
奥村 晴彦
 所 属
東燃総研OB会
 掲 載 日
平成22年06月21日
表 題

 イェール大学2010年卒業式

本   文 

 
 二番目の米人の甥のイェール大学卒業式に臨席しました。兄はプリンストンでしたが、音楽と映像を学ぶためここにしました。8年前に彼らの大学選び(カレッジ・ハンティング)に付き合って以来二度目のニューヘイブン訪問です。ニューヨークから電車で2時間足らず。オックス・ブリッジ(OB)なみに市の中心が大学で、その建築のお陰で古色蒼然とした厳かな雰囲気が漂う街です。

 この大学はOBと同じ学寮制で、日本の旧制高校のように学内の寮で専攻の異なる学友と寝食をともにしながら、各々の学部で学ぶのです。全国からの一学一芸に秀でた学生が3~4人同室で交流するので、学業以外の成果も高度です。なお大学院への直接進学は殆ど許されません。歴史家朝河貫一教授が明治時代からこの大学で実績を上げられ、日米関係にも多大の寄与をされたので、記念庭園が造られました。

 卒業式行事は3日前の交響楽団演奏会から始まり、前々日に学内徒歩ツアー、ハークネスタワーのカリヨン演奏、総長宅レセプション(私もご夫妻と握手しました)とグリークラブ演奏会など、前日に卒業生祈祷式(総長訓示)とクラスデイ(祝賀会と表彰)後、種々のコンサートやダンスパーティがあります。
式当日は全学卒業式と学寮での学位授与式があり、祈祷式と卒業式で総長とディーン(女性)から世界の変革の必要性が強調され、クラスデイ来賓クリントン第42代大統領先輩も同じ線で演説しました。保守派の多い先輩父兄からはブーイングです。
最後に学寮で父兄揃っての昼食振舞い後、イェール独特の秘密結社の会館を見ました。これで卒業生父兄には秘密でなくなります。

 カリヨンや演奏会ではドイツの曲や学生歌が次々に流れ、中世の伝統を受け継ぐことが分ります。生活はイギリス式ですが、この日々はブラームスの大学式典序曲やドイツ学生歌、イェールの学生歌で明け暮れます。喜びのおふざけも少なくありません。

 屈指の裕福な大学とあって学寮は豪勢な建物、学寮によっては学費・生活費が殆どかからず、海外留学までさせてくれるそうで、そこへの選抜漏れが毎年不満の的だそうです。学寮ごとの先輩の寄付によるとか。しかし上記コンサート等は殆ど全部有料でした。その収益でサークル行事や慈善寄付をするそうです。

以上

1.イェールグリークラブの演奏
2.卒業生祈祷式
3.会場オールドキャンパスとフェルプス門
4、朝河貫一記念ガーデン
5.クラスデー
6.学寮長から学位授与
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