短歌便り-13(春浅し)
冬ざれの野に立ち思う幼らと土筆摘みたる春は近しと
ためらいつ春来たるらしうつむきて羞じらうごとく椿咲き初む
冬枯れの木々寒々と風に揺れミモザの木末はや黄を含む
春近く薔薇剪定す一輪の蕾つけたる枝は残して
咲き初めし河津桜の今朝の花に粉砂糖のごと淡雪残る
昨夜降りし淡雪消えて土黒み春の光に陽炎の立つ
朝の陽に昨夜の斑雪は解け去りぬ庭黒々と春の土なり
薔薇の芽の赤く伸びぬと日記書く今日一日の生の証しに
未だ風は冷たいのに春を告げる花々、沈丁花、梅、椿、水仙は鮮烈な香りを放って咲き始める。庭の河津桜は梅と競演するかに二月中旬には咲き始め下旬には満開となる。丹精して育てている薔薇の芽も伸び始める。
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