三郷八幡神社は海南市下津町黒田(JR加茂郷駅南)の南の山麓に建てられている神社で、その本殿は国指定の重要文化財である。
三郷八幡神社の名前の起こりは、当社がかっての黒田村、丸田村、丁(よろ) 村三村の産土神であったためこう名付けられた。
国の重要文化財の本殿は永禄2年(1559)に建立されたことが棟札で分って おり、小規模であるが三間社流造り檜皮葺で均整のとれた華麗な姿は室町時代末期の社殿の特徴をよく表わしている。本殿正面の蛙股の彫刻は、日光東照宮の彫刻と作者が同じであるとされており、貴重な彫刻である。
紀州北部には、和歌浦東照宮を初めとする江戸初期の優れた文化財が数多く存在するが、これは紀州徳川家の初代藩主徳川頼宣公が、江戸の将軍家なにするものぞという気概の表れであろう。
三郷八幡神社はふもとから本殿まで急坂が続くが、その参道の両側には桜が植えられ桜のトンネルとなっており、又社殿前の広場にも数多くの桜500本余りが植えられている。ここは桜の開花時には見渡す限り桜花の海となる。
紀州語り部 大峯 登
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