もう一つ、私の昔の記憶に比べて著しく変わったのが米国人の体型である。圧倒的に肥満体が多く、普通の体型の人間を見つけるのに苦労するほどだ。その肥満の度合いも日本人には見られない並外れたものだ。これが単に私の受けた印象ではなく、データとして確かめたいと思いネットを検索したところ、下図に示したデータを探し当て、印象の正しいことが証明された。
それによれば、米国では肥満比率が上昇傾向にある。1978年に15.0%、1991年に23.3%だった肥満比率が2006年には34.3%と大きく上昇しているのである。肥満は先進国一般の傾向であり、英国や日本でも肥満比率は上昇傾向にある。しかし、米国の場合は、極端なまで肥満者(太りすぎ)が多くなっている点が問題であり、肥満に起因する健康上の問題が深刻な社会問題化している点に特徴がある。因みにここではBMI値が30以上を肥満と定義している。170㎝の身長なら体重86.7㎏超の人が肥満である。
チーズバーガー、フライド・ポテト、コーラ、フライド・チキンなどのファスト・フードを腹いっぱい食べ、おまけにポテトチップ、ポップコーン、チョコレート、ガムなどのスナック菓子をのべつ幕なしに食べている結果だろうと私は考えている。ハンバーガーは2枚、3枚重ねが人気であり、ポテトフライの量も半端ではない。おまけに1リットルは入りそうなコーラがセットとして付く。私ら中高年夫婦には一人前を二人で分け合って丁度いい分量である。
また、レストランの料理の選択の幅が日本と比べて驚くほど少ない。日本ならば和食、中華、洋食、麺類など自分の好みとおなかの具合により世界中のメニューが手軽に選べるが、米国のファスト・フッドはハンバーガーが主体である。
また、肥満人口の増加に伴い、糖尿病や心臓病、様々なタイプの癌、その他障害を伴う病気を患う人が増える危険性も増加している。肥満による直接的、間接的な社会的損失(医療費の増加と生産性の減少)が大きな問題となってこよう。
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