大先輩の豊田さんの“短歌便り”に啓発されて小生も「俳句」便りを掲載させて戴こうと思い立ちました。俳句は五年ほど前から時折作ってまいりましたが、なかなか上達しません。誠に恥ずかしながらご一読いただけましたら幸甚であります。
それにしてもこの星の俳句という文化は難しい。
1. 春分や父母が遺骨も
温
まれり
2. 母ならで
仏花
より桃の花
― 隣家の犬, 妻を噛むー
3. 春雷や隣家の犬の物狂ひ
4.
百閒
忌犬へ
仇討
ち猫に説き (写真1)
5. 本読めど思考淀むや木の芽時
6. 着ぶくれて肩凝らぬ猫
羨
まん
7. 陽春や猫は
海鼠
のごときもの
8. 残る花狼藉するは
烏
かな
9. 永き日や短き影の
海鼠
塀 (倉敷にて)
10.
馬酔木
咲き露天商は上着脱ぎ ( 〃 )
11. 春時雨医師玄白の墓青く (愛宕山下の栄閑院にある)
12.
四憶
の春の記憶や三葉虫 (写真2)
―地質学者の友、異国の山で母国を想うー
13. 望郷に浸る男や老いの夏
14. 虫篭や彼のアジトは樹上かな
15. 熱帯夜猫の寝息も熱くるし
16. 妻の留守かくも涼しき夕餉かな
17. 雲の峰ガマ泰然と虫を待つ (写真3)
19. 雨の夜は池こそガマが宇宙かな
20.
庭守
のガマには道を譲りける
21. 炎天下児雷也のガマ影太く (児雷也はガマの妖術を使う忍者)
22. 昨日今日
明日
また高く立葵
―親しき先輩を悼みてー
23. 逝く人はキリスト者なり秋の風
24. 馬齢だけ恥重ねたる秋の酒
25. 捨て猫の糸引く声や秋雨の夜 (この猫が家内の知人に拾われ、我家に来た 写真4)
以上
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