今回は松葉蘭を中心として紹介することにしました。
松葉蘭は蘭とは言いながら、シダの一種で根も葉も持たないシダとしては原始的なものであります。これは根も葉もない話ではありません。茎の一部が根の役割を果たし、地上部の先端が光合成をして胞子を付けます。
変化葉(芸物)は天保7年の記録では120種も挙げられており、珍品は土地屋敷と交換されたとかであります。これらも先の大戦の空襲で壊滅的な損害を受けましたが、現在は60種余りまで回復しております。
写真の1は変化葉でない並みの松葉蘭です。2から5までとシダの不思議―1と2で紹介したものが芸物です。6は和歌山産のノキシノブの芸物であります。
この古典園芸は江戸だけのもので、上方では流行りませんでした。江戸では武士、豪商はもとより町人の間でも持て囃されました。つまり浮世絵と同様に江戸の粋な文化の一つでありました。私が粋な人間か否かは皆さまのご判断に委ねたいと思います。
松葉蘭変化自在の夏の雲
浩二
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