短歌便り-25(小鳥たち)
パンダ君と妻の名付けし四十雀ひねもす囀る春は来にけり
高枝にツピツピーと鳴く小鳥春の喜び告ぐるがごとし
頤(おとがい)の黒きネクタイ鮮(あざ)やけく四十雀来る春の朝に
四十雀は礫(つぶて)のごとく落ち来たり撒き餌咥えてそそくさと去る
弟の死を悼むがに黒タイをきりりと締めし四十雀来る
ひよ鳥は番兵気どり高枝にとまり群れなす雀を威(おど)す
よく見れば灰色のひよの耳羽に頬紅のごと紅き色あり
撒き餌するわれを待ちかね雀らは電線に並び押しくら饅頭
雀らは群れなし来りピョンピョンと跳びつつ狭庭に撒き餌をあさる
雀らの精一杯のお洒落かな黒き隈(くま)どりに茶色の羽織
逆立ちて蜜吸う目白はチチと鳴き椿と共に地に落下せり
狭い我が家の庭の木の枝には四十雀や山雀(ヤマガラ)のためにバードフィーダーをぶら下げ、ひまわりの種やら粟を入れておく。地面にはパン屑を撒き、雀、ひよどり、山鳩の餌にしている。蜜柑や林檎は目白のために枝に刺しておく。餌を求め、ひっきりなしに飛来する小鳥たちを見ているのは楽しい。
よく見ると、雀の顔には歌舞伎の奴さんのような隈どりがあり、茶色の羽も白や黒の筋模様がついている。山鳩の羽根の縞模様は驚くほど精巧に整い美しい。四十雀の頭から首にかけての黒色の筋模様は頬の純白で一層際立つ。背中は淡い鶯色で灰色に黒い縞模様の羽根につながっている。山雀は四十雀より一回り大きく、お腹が茶色である。暴れ者のひよどりも薄汚れた灰色だけでなく、頬には薄らと紅をさし、腹には豹がら模様がついている。
四十雀、山雀は一直線に飛んできて、素早く去る。目白とひよは逆立ちしながら椿の蜜を吸う。雀は地面をピョンピョンと跳ねる。
以上
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