俳句便りー10
1.昨日今日明日かくあり立葵
2.風に揺るしのぶが下の猫の夢
3.三日月や無政府主義の猫会す
4.人さらひ来るやも知れぬ夏の暮れ
5.図書館は古生代なり夏の午後
6.時計草一秒長く咲きにけり ―閏秒―
作句についての私の心掛け:
俳句は喋りすぎや常識を詠んではいけなひ。
読み手の想像力に委ねるべしといわれている。
「何がなにして何とやら」、「だからこうなんだ」といふ句は初学作者が脱却すべき一歩である。意外性、不可思義性や新たな表象が不可欠なことは男女の中と同じとのこと。
物理学者のホーキング博士をして「最も不可解なものは宇宙ではなく女性であり、だから惹きつけられるのだ」と言わしめている。
俳句は又韜晦、諧謔の文学でもある。一茶に「僧正が野糞遊ばす日傘哉」の句があるが、初学者はこういふ題材には手を出さ無い方が無難であろうと今のところは思っている。
以上
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