過日、和歌山OB会より川柳につき一筆との依頼を受け、厚かましくも再び筆を取りました。川柳を始めた動機は、生来のせかせか癖が、定年後も直らず、心にゆとりを持てぬ自分を不甲斐なく思っていた矢先に、某紙の時事川柳が目に止まり投句したのがきっかけです。以降20数年、暇に明かして五七五を楽しんでいます。
川柳は、ユーモアとうがち、人を詠む、共感とリズムの短詩と言われます。まだまだ駆け出し、未熟の域を出ませんが、ここ1~2年の作句を紹介させていただきます。思いつくままに列挙しましたのでご容赦下さい。
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作 品
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年月日
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投句先
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備考(題)
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1
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吹けば飛ぶ歩にも歩なりの意地があり |
23. 9. 5
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サンケイ夕刊 |
「飛ぶ」 |
2
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廻り道するのも知恵と心得る |
23.10.29
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毎日新聞 |
「道」 |
3
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屋台酒徐々にブレーキゆるみ出す |
23.12.24
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わかやま新報 |
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4
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大臣の椅子が日毎に軽くなり |
24. 1.13
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讀賣新聞 |
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5
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紅差して昨日の嘘を塗り替える |
24. 1.27
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わかやま新報 |
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6
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成績が一番だから不安な子 |
24. 1.26
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サンケイ朝刊 |
「一番」 |
7
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古傷の痛む話で寒くなる |
24. 2.13
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おおさか川柳 |
「寒い」 |
8
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どちらとも取れる答えで逃げを打つ |
24. 3.25
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讀賣新聞 |
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9
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反省を重ね大人になって行く |
24. 3.31
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おおさか川柳 |
「反省」 |
10
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逆光の先に本音のシルエット |
24. 4.29
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わかやま新報 |
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11
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いつの間に入っていたかあのマッチ |
24. 5. 6
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三幸川柳会句会 |
「入る」 |
12
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愚痴零す度に明日が逃げて行く |
24. 7.22
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わかやま新報 |
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13
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手に汗を握る試合の時間切れ |
24. 7.29
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毎日新聞 |
「汗」 |
14
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聞き流す心のゆとりない時代 |
25. 6. 9
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わかやま新報 |
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以上