清水市内(当時)で開かれていた英会話サークルで知り合い、その後40年以上に亘って家族ぐるみの付き合いをしている友人がおります。先日食品会社の役員を勇退し、奥様の患っているパーキンソン病「友の会」の仕事に専念することになりました。
35年ほど前に私が初めてアメリカに行ったとき同行しいろいろ楽しい思い出を作ることが出来た人です。会社員としての仕事をリタイアする記念と長年の奥様の「内助の功」に報いる意味で久し振りの海外同行旅行を計画、実行いたしました。
友人の希望で奥様の体調や私が何回か訪れていて「不安なく案内できるところ」として台湾を選びました。台湾は今回が5回目の訪問で充分知っている心算ではありましたがそれでも「車椅子を持ち込んで」の旅行は初めてです。
台北など大都市でも歩道はやたら段差が多くて健常者でも歩きづらい、ましてや阿里山のような山岳地帯は車椅子を押しての歩行は無理です。出発帰着の空港も羽田では遠過ぎる。そんなことを考慮して今回は静岡空港発着、台湾での観光は台北、台南の2都市とその周辺としました。
台南からタクシーをとばして1時間ほどのところに玉井郷と言うところがあります。ありきたりの観光地を見てもつまらない、「台湾と言えばマンゴーだ」と言うことで台北に移動する前の半日をつぶして玉井郷に行ってきました。
日本で言うと「リンゴの里・弘前」みたいなところです。青果市場がありますが周辺は全てマンゴー園でいろいろな種類のマンゴーが枝もたわわになっています。
市場に入りますと日本では見たこともないような1個2kgもあるような巨大なマンゴーが50kg、60kg単位で驚くほどの値段で売っていますが残念なことに「植物検疫法」により買っても日本には持ち帰れません。
その場で食べられる「芒果冰」と土産用として「無糖干芒果」を買い込みました。売り場のおばさんがホテルで食べるように「小さな」芒果を6個くれましたが後で食べてみると日本で普通に売っている「アップルマンゴー」の大きさでした。他のものが余りに大きいのでこの大きさでは「くず芒果」に見えたのですね。
車椅子を押しての旅で出発から帰着まで多くの人に助けられました。鉄道、地下鉄、タクシーなど利用する際の手助け、誘導、心遣いなど台湾は日本に比べても施設面、教育面でかなり進んでいます。出発前の心配は全て杞憂でした。日本はアジアの最先進国と思っていましたがまだまだ見習うところは多いようです。
友人も奥様同伴の海外旅行は「最初で最後」と思っていたようですが帰国した時には「また行ってもいいね」と言うようになり、私にとってはそれが一番の報酬でした。
以上