高野山の町石道起点、慈尊院の紀ノ川対岸に位置し、木造校舎としては日本最大級の現役小学校、橋本市高野口小学校々舎が、さる1月27日に国の重要文化財に指定されました。現役小学校々舎の指定は、愛媛県の日土(ひづち)小学校に次いで全国で2件目とのことです。
県文化遺産課によると、同校は明治8年「村学」と称して開設され、同44年に高野口尋常高等小学校と改称し、昭和12年に今の地点に校地を移して建設されたのが、現校舎だそうです。
校舎は木造平屋建、桟瓦葺(さんかわらぶき)、建築面積は3500平方メートルを超 える大規模な建築物で、約100m長の南北棟1棟、45~68m長の東西棟4棟が櫛形に配置されています。瓦屋根、五寸柱と筋交い・方杖(ほうづえ)を多用し、耐震、耐風に関する工夫がなされ、教室や廊下の天井、壁、床、格子窓等の全てが木造で、温かい木のぬくもりを感じさせます。
市教委によると、最盛時は千人を超える児童数でしたが、今は少子化で267人の児童が学んでいます。昭和初期を回顧できる校舎ですので、一度見学されては如何ですか。市教委員会又は小学校へ電話予約し、見学時間は平日の16時から17時です。今回は県文化遺産課及び橋本市教育委員会に、資料の提供と取材でお世話になりました。
写真1 高野口小正面玄関と南北棟北側
写真2 南北棟の98m廊下(職員室付近から北を見る)
写真3 〃 (北東隅から南を見る)
写真4 東西棟南の69m廊下(東から西を見る)
写真5 東西棟北中棟屋外(大きな時計が有る)
写真6 音楽教室
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