7月の終りに、長野県の八ケ岳山麓を友人と歩いた。茅野から美ヶ原までつなぐ観光道路・信州ビーナスライン、その途中である白樺湖の少し手前のスズラン峠に車を置いた。このスズラン峠は百名山のひとつである蓼科山(2350m)の主登山口としても有名だ。
スズラン峠から30分ほどの急登で八子ケ峰(ヤシガミネ)の稜線に出る。まず「諏訪富士」とも呼ばれる蓼科山の迫力ある姿に圧倒される。遠くに霧ヶ峰が見え、車山の山頂の気象レーダー観測所もはっきりわかった。ここにはヒュッテ・アルビレオがあり、その展望テラスで20分ほどコーヒーブレイクする。 ヒュッテとは思えない本格的なコーヒーだった。
ヒュッテから5分ほどで八子ケ峰・東峰山頂(1869m)に出る。ここからは快適な尾根歩きが続き、360度の展望が楽しめる。 陽射しはかなり強いが、さわやかな吹き抜ける高原の風が実に心地良く、暑さを余り感じない。汗だくになるのを予想して用意した2枚の着替えシャツが無駄になりそうだ。
八子ケ峰のピーク(1833m)まではゆっくり歩いて、ヒュッテから40分ほどだった。ここからの展望も素晴しい。蓼科岳、北八ケ岳から八ケ岳連峰の最南端の山、編笠山までの全ての山々が見える。それにしても編笠山、その名の通り、山のすそのが編み笠のように長く美しく延びている。
霧ケ峰の奥には美ヶ原が見える。数年前に歩いたときは北アルプスまで見えたが、残念ながらこの日は雲が多く、南アルプス、中央アルプスがやっと薄く見えるだけ。眼下は茅野の街並みだ。ここで気温は計ったら25℃だった。
前方の白樺湖まで下るのが本来のルートだが、この日はここから引き返して、車を置いたスズラン峠に戻った。コーヒーブレイク、ランチタイムなども含めても4時間弱の歩き。「ハイキングをした」というより 「すばらしい高原逍遥を楽しんだ」 と言った方がいいかもしれない。夕方7時に都心に帰った時のムシムシする暑さ。この日の都心の日中の気温は33℃だったとか。
脚力はめっきり衰えたが、まだまだ山歩きを楽しみたい。
以上