6月末から12日間に渡って妻とヨーロッパ旅行に出かけた。ウィーンを起点にヴァッハウ渓谷・ブタペストと列車で廻り、ザルツブルグに着いてからはレンタカーに乗り換えて、ザルツカマ-グート・チロル・ドロミテ(北イタリア)を回った。その日の天候や疲れ具合で、行先を入れ替えたりしつつ、心行くまで歴史の重みと自然の美しさを満喫した。以下に旅行中に感じた幾つかを列挙したい。
1)今回旅した地域はかつてのハプスブルグ家の支配エリアで、彼らの残した遺産の大きさには改めて感心させられた。ハプスブルグ家と言えば、マリー・アントワネットやマリア・テレジアが思い浮かぶが、ここでは圧倒的にシシィこと、エリザベートの人気が高い。不幸を背負って旅を続けたシシィの足跡が各地に残っていて、それを上手く観光に繫げている。
2)チロルやドロミテの山塊は遥か昔 海だった地層が褶曲し押し上げられ風雨に削られて荒々しい姿を見せ、山頂から谷間の村まで2,000m近くもシャープに落ち込んでいる所もある。残雪の残る山々の粗々しさと麓の村の牧歌的な風景とのコントラストが素晴らしい。
3)日本でレンタカーを予約した際、1,500CC以下の小さな車にオートマ車はないとの事で大型車にして、オプションでナビも付けてもらった。また、日本では考えられないが、市内のレンタカー営業所は土日休みのため、ザルツブルグ中央駅に着いてから、わざわざ空港まで出向いてやっと車を借りた(空港のみ土日も営業)。第3次産業でも就業時間の管理は厳しく(1,600Hr/Y程度)、その分 それぞれ自分の生活をエンジョイしている様に思われる。
4)殆どのガソリンスタンドは無人のセルフで、現金を入れて油種を指定し給油するのだが、イタリアではガソリンはBenza Pb、軽油はGasolioと表示されていて非常に紛らわしい。ガソリン価格は重税のため、250\/L位とかなり高く、ハイブリッド車が普及する所以でもあろう。
5)列車ダイアが大きく乱れる事は少ないが、多少の遅れは当たり前だ。駅では改札もアナウンスも発車のベルもない。いつの間にか動きだしている。車内で到着駅のアナウンスはあるが、静かであっさりしたものだ。代りに、駅の案内板はしっかりしていて解りやすい。車内には各駅の到着時刻、乗換え案内が記載された小冊子が座席の前に置いてあり、便利だ。
6)ザルツブルグに戻りホテルにチェックインした際に、ロビーで奇遇にもTCCの同期の大内ご夫妻にお会いした。全くの偶然に驚くと共に神様の遊び心を感じた。
個人旅行では計画の作成やホテルの選択・予約等に手間は掛かるが、自分の興味のある所に出向き、自分のペースで観光し、好みのレストランで食事を楽しむ、その自由さ・気ままさはやはり魅力だ。今後ともある程度 英語の通じる地域への旅行では、ゆとりを持って個人旅行を楽しみたい。
以上