6月下旬、「スズランの名所」として知られる長野県富士見町の入笠山(にゅうかさやま)登山を兼ねて、絶滅危惧種で野生ランの王様とも言われる「ホテイアツモリソウ」の幻の花を見に行ってきました。
ホテイアツモリソウ(布袋敦盛草)は、ラン科の多年草で、北海道から本州中部地方にかけて分布し、本州で自生している場所は、今回訪れた長野県(富士見町)と山梨県、福井県の3県のみとの事。ホテイアツモリソウはアツモリソウより花が大きく紅紫色が濃い、唇弁(花弁)が楕円状球形に咲く特徴があり、南アルプス山系の釜無山や入笠山に自生する物は「釜無(かまなし)ホテイアツモリソウ」と呼ばれています。
「釜無ホテイアツモリソウ」は絶滅の危機にあることから地元の富士見町が保護・再生活動を積極的に行い、標高1780m付近の「入笠すずらん山野草公園」にて大切に保護されています。開花時期は6月初旬から7月上旬で、今回訪れた時は20輪程咲いており、壺の蓋を開けた様な不思議な形をした「幻の花」に見入ってしまいました。この花が目的のツアー客やハイカーも多く、山の上は大変賑わっていました。
入笠山(1955m)の1700~1800m付近には「入笠すずらん山野草公園」「入笠湿原」「御所平のお花畑」「大阿原湿原」があり、春から秋にかけて約150種の山野草を楽しむ事が出来るとの事。今回は「釜無ホテイアツモリソウ」以外にクリンソウ(九輪草)、キバナノヤマオダマキ、ニッコウキスゲ、グンナイフウロ、レンゲツツジ、アヤメなど赤や黄色青色などの花が沢山咲いていました(スズランの花はほぼ終了)。
またゴンドラ山頂駅から約50分で登れる入笠山頂からは(当方は沢入登山口より)、富士山、南・中央・北アルプス、八ヶ岳他が360度見渡せて、幻の花と山岳風景が一度に楽しめるスポットでした。
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