氏 名
近藤 安雄
 所 属
東燃本社OB会
 掲 載 日
平成27年07月16日
表 題

 東日本大震災、その後を見てきました

本   文 


 私の所属する「東京合唱団」は毎年10月の定期演奏会のほか、大震災の翌年から「鎮魂と復興への祈り」をテーマとして東日本大震災追悼チャリティーコンサートを上野の石橋メモリアル・ホールで開催しています。
 このコンサートの純益金に会場で呼びかけ集まった募金を加えて、東北大震災で被災した保育園や老人ホーム等に、ピアノを寄贈するプロジェクトを進めています。そして、寄贈先との交流を定期的に持つことにしています。
 
 さる6月19日~20日の交流コンサート・ツァーで宮城県石巻市の保育園2箇所と仙台市と名取市の養護老人ホーム各1箇所を訪問し、贈呈したピアノを使って交流ミニコンサートを開催してきました。保育園では子供たちと一緒に童謡「アイアイ」や「犬のおまわりさん」、「幸せなら手をたたこう」などを可愛い園児たちと一緒に大声で歌いました。
 また養護老人ホームでは私たちの混声合唱曲のご披露のあと入園のお年寄りたちと「花」「朧月夜」「夏はきぬ」「もみじ」などお年寄りたちにとっても懐かしい歌を、私たちもご老人の席に入って手をつなぎながら歌いました。
 コンサートが終わり、お別れするときは手を握って「久しぶりに大声で歌を歌った。とても気持ちが晴れた。ぜひまた来てください」などと、中には涙を浮かべて送ってくれたお年寄りもいました。歌うということが人の心を癒し、人の気持ちを結びつけるのにいかに大切なことか、を改めて認識した次第です。

 この旅を機会に、石巻市、名取市の被災地の跡を見聞してきました。訪れたのは石巻市が日和山公園、名取市は閖上(ゆりあげ)地区。何れも津波被害が大きかった地区で、広大な住宅地が津波で総なめにされ、建物の土台だけが寂寞とした風景の中に残っているといった感じで、津波のもの凄さを物語っていました。復興の状況は道路などのインフラ整備はある程度進んでいるものの、やはり復興の足取りは遅々として進んでいないという印象で、まだまだ復興の途半ばであることを実感せざるを得ませんでした。

 両地区ともかなりの犠牲者を出しており、その人々に対する慰霊の気持ちをこめたお地蔵さんやメモリアル・タワー、記念館などが設けられ、記憶を風化させてはならないという地元の人々の願い、祈りそして決意がひしひしと伝わってきました。私たちも同じ日本国民として、犠牲になられたかたがたに寄り添う気持ちを持ち続けなければならないことを決意できた貴重な旅でした。



(写真説明)

写真① 老人ホームでミニ演奏会。お年寄りたちと懐かしい歌を一緒に大きな声で歌いました。
写真② 犠牲者を偲んで安置されたきずな地蔵(石巻市日和山公演にて)
写真③ 震災以前は市街地だったとのこと。名取市閖上(ゆりあげ)地区
写真④ 閖上地区の犠牲者を悼んで建立された「芽ばえの塔」GLから塔頂までの高さ8.4mはこの地区を襲った津波の高さとのこと。

以上 

     
 
写真①
 
写真②
 
         
     
 
写真③
 
写真④
 
         
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