2008年中国河南省洛陽へ留学しました。洛陽は西周時代に都となり、北魏(ほくぎ)、晋、隋、等の首都がおかれた。長い歴史と「龍門の石窟」と「牡丹」と「関羽(かんう)」等で有名なため留学先としました。そこで「朱仙鎮(しゅせんちん)」で作られた「年画」と初めて巡り合い、素朴な絵に何か引き付けられました。
「年画」とは、中国の民衆の間で古くから伝わる行事の中で、「春節」(旧暦正月)や慶事に際して、家の門扉や室内の壁に貼って飾り、慶祝・厄除の祈願を行う独特の版画を言います。中国には、数多くの年画の制作地がありますが、主な制作地は「天津市の揚柳青(ようりゅうせい)」、「山東省イ坊市の揚家埠(ようかふ)」、「蘇州市の桃花塢(とうかお)」が三大制作地とされています。
次いで、2013年9月中国山東省済南市へ留学しました。そこは年画の制作地「天津市の揚柳青」と「山東省イ坊市の揚家埠」に比較的近く、かつ孔子の故郷「曲阜(きょくふ)」、泰山もあることから留学先としました。年画の制作地には何回も訪れ、現地の人達と会話しながら多くの年画等を手に入れることが出来ました。又当然「孔子廟」にも三度訪れ、泰山での日の出も堪能しました。
2015年には蘇州市で半年過ごし「年画」の制作技術を深めました。古くて懐かしい町並、多くの水郷が印象的で住みやすい町でした。
留学時に年画を制作している作家との交流が出来たことは良き思い出です。作家は皆30歳台の女性であり、彼女らの作品や、少し古い年画も手に入れる事ができました。現在も彼女等と交流があり、昨年の正月には彼女らの一人から自分で彫った「年画」が送られてきました。
今後も様々な年画を少しずつ彫って行きたいと思っています。
写真説明
写真-1 年賀状として彫った年画類(右下が今年の年賀状)
写真-2 昨年彫った年画
写真-3 現在彫っている年画
写真-4 蘇州市の年画の作家らと(2015年)
(編集委員補足:文中の地名「イ坊市」(いほうし)の“イ”は、原文の漢字がHP上に表記出来ない事から、代用文字で記載してあります)
以上