氏 名
 池田 脩
 所 属
東燃本社OB会
 掲 載 日
平成29年05月24日
表 題

 米寿を迎えて ~現在の心境~

本   文 

 5月12日の東燃本社OB会総会で、皆様から米寿をお祝いいただきまして誠に有難うございました。
 HP編集委員より投稿の依頼を受けましたので、懇親会の乾杯の発声の折に挨拶させていただいた内容を現在の心境としてご披露します。

 私は、昭和26年4月に大学を卒業しましたが、就職にはことごとく失敗し、就職浪人の悲哀を味わっていました。そんな私を救ってくれたのは、8月に朝日新聞に掲載された東亜燃料工業株式会社の調査部員若干名募集という小さな求人広告でした。早速日本橋にあった本社の人事課に駆けつけ、「私は、学費と生活のためアルバイトに没頭し、学校にはほとんど行かず成績は最低、これまで内申書で何度も門前払いを食らってきました。そんな私でも受験できますか」と問いました。この太っ腹な会社の優しい人事課長さん(佐々木 正さん)は、「当社は、学校の成績は全く問題にしません。ペーパーテストと面接で決めます。君も頑張りなさい」と激励までしてくれました。

 それに力を得、幸運も手伝って私は入社することができました。その喜びは、わが88歳の人生を顧みて、今でも最大であったと言えます。なぜなら、戦時中及び戦後の厳しく長い学生生活のなかで、胸のなかに鬱積してきたストレスが、一挙に解消されたように思えたからです。そして、この会社はわれわれに生活の糧を与えてくれたばかりでなく、われわれが社会人として、また人間として成長する機会を与えてくれました。また、われわれは概ね石油産業の最盛期の活況のなかで、やり甲斐のある仕事をするという幸運にも恵まれました。

 われわれが退職して、すでに相当の年月が経過しました。しかし、毎年開催されるOB会がわれわれの絆を繋いできてくれました。さらに、喜寿、米寿のお祝いまでしていただき、本年は私どもがそれに該当しました。これまでの会社のご支援と歴代OB会役員各位のご尽力に対し、この機会に厚くお礼を申し上げたいと存じます。また、皆さんが懸念しているOB会の存続についても前向きの解決がされるようで、大変嬉しく、よろしくお願いしたいと思います 。

 最後に、今回の会社統合により、「東燃」という名が無くなることは、大変残念であります。しかし、新しい体制のなかで、東燃で育った人材がおおいに活躍され、東燃という企業の力がおおいに発揮され、事業の発展に繋がることを確信し、OBとして声援を送ってまいりたいと思います。

以上 

     
 
会場にて-1
 
会場にて-2
 
         
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