今年10月に江戸日本橋を起点とする五街道を歩き終えた。五街道は徳川幕府が重点的に宿場や街道の整備を行った幹線道で、その合計距離は約1400Kmである。5年前に日本橋から東海道を泉岳寺辺りまで歩いたのがその始まりだった。当初は五街道踏破を目指す積りは全くなかった。しかし、諸大名が参勤交代で往来し、皇女和宮が行列を成して降嫁し、幕末の志士達が行き交い、明治になっても天皇陛下が行幸された街道はそこかしこに歴史が感じられ、次第に歩きの魅力に嵌っていった。
私の五街道歩きの記録は下記の通りです。 |
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街道名 |
区 間 |
宿場数 |
街道距離 |
歩いた期間 |
所用日数 |
東海道 |
日本橋~京都三条 |
53 |
492km |
2012/11~2014/10 |
32日 |
中山道 |
日本橋~草津 |
67 |
505km |
2014/09~2016/07 |
27日 |
甲州街道 |
日本橋~下諏訪 |
44 |
208km |
2015/01~2017/08 |
12日 |
日光街道 |
日本橋~日光神橋 |
21 |
142km |
2015/11~2016/11 |
8日 |
奥州街道 |
宇都宮~白河 |
10 |
85km |
2016/10~2017/10 |
5日 |
街道沿いには古い街並みや寺院・神社、道標や石仏、諸々の史跡が見られる。また、城跡・古戦場や芭蕉・西行らの句碑や歌碑、謡跡も多く、遥か昔に思いを馳せなら歩みを進めた。街道から少し離れた史跡にも足を延ばしたりした気儘な旅だったので、実際に歩いた距離は2,000Kmを超えていた。
中山道の和田峠越えの様に一日に22Km歩き、標高差800mを登り下りする過酷な道中もあった。なぜこんな馬鹿馬鹿しい事をやるのかと思ったりもしたが、伝統的な建物や町並みの美しさ、懐かしい里山の風景、その風景と融けあい営々と暮らしている人々、その人達とのちょっとした触れ合いなどが後押ししてくれた。
都会の慌ただしい日々を離れて、偶にはスローな歩き旅に出るのも捨てたもんじゃないと感じ入った。
写真説明
写真-1:五街道のルート図
写真-2:東海道 箱根峠越え
写真-3:東海道 草津宿の本陣内部
写真-4:中山道 奈良井宿の街並み
写真-5:中山道 細久手宿の本陣に宿泊
写真-6:日光街道 杉並木
以上