去る2月11日(日) 有田川町の東端に位置する杉野原地区に建立されている雨錫寺(うじゃくじ)の阿弥陀堂(国指定重要文化財)で、御田舞が奉納されましたので見学に行ってきました。
杉野原の御田舞は、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統芸能であり、小さな山村で過疎化が進む中で、保存や継承が難しい状況でありながら懸命に守ってきた努力が会場周辺と演技に表れていて感動しました。
御田とは御田祭や御田植祭が略された呼称で、神社やお堂で稲作の生産過程を模倣的に演じることにより、その年の五穀豊穣を神仏に祈願する行事であります。かつて御田舞行事は、近隣では9地区で伝承されてきた行事であるが、現在は杉野原、久野原、花園梁瀬の3地区のみで継承されているとのことであり、中世からの舞殿が残されているのは当地区の阿弥陀堂だけとなっています。
また、全国に伝承されている御田の殆どが田植までで終るといわれていますが、この御田は春田起こしから収穫までの全生産課程が演じられるため、この地方特有の貴重なものとなっています。
特に、御田の冒頭に行われる裸苗押しは、屈強な男たちが褌姿(ふんどしすがた)で肩を組み柴燈(さいとう)(大火鉢のこと)の周りをまわるとても勇壮なもので、この地方独特の伝統行事となっています。
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