富士川河原を散歩していると、冬枯れの草原にたくさんの緑の草が観察できる。かって山梨の友人が当地に来た時、「冬なのに緑が多いことに驚いた」と言っていた。その中にヨモギがある。多年草で、枯れた茎もあり緑の葉も繁茂している。(写真ー1)
ヨモギには多くの薬効があり、飲食にはヨモギ茶やテンプラが良く知られている。なかでも一番は餅や団子に茹でた若葉を添加した、草餅や草団子がとても良い香りで喜ばれている。
葉を裏返せば真っ白に見える。(写真ー2)これは細い毛がびっしり生えているからで、この毛がもぐさの原料になる。
枯れた茎に変な白い塊が付いているのを見かける。(写真ー3)これはヨモギクキワタフシで、ヨモギの茎についている綿のようなフシ(虫こぶ)の意。ヨモギが枯れる前に、ヨモギワタタマバエがヨモギの茎に産卵すると、その部分に葉裏の毛と同じ成分で綿のような玉が出来る。孵化した幼虫はその綿に包まって越冬するのだそうだ。誰がそんな優れた越冬技術を教えたのか。
幼虫には悪いが勉学のために、この綿のような虫こぶを開いてみた。中からピンクの2mm位の幼虫が出てきた。虫さんごめん。(写真ー4)
ここにも、虫が植物を利用しながら生きている仕組みがあった。このヨモギワタタマバエが、ヨモギのために何かお返しをしているかどうかは判らない。
写真説明
写真ー1 :ヨモギの若葉
写真ー2 :ヨモギの葉裏
写真ー3 :ヨモギクキワタフシ(虫こぶ)
写真ー4 :ヨモギワタタマバエの幼虫
以上