英国の自然の美しさと町並みの美しさに感動した。
まず、自然であるが、英国には日本のような山脈はない。英国の最高峰がスコットランドにある1340mのペン・ネヴィス山であり、スコットランド北部とウェールズを除くと、そのほとんどの土地が緩やかなアップダウンを繰り返す丘陵地である。そのため、国土の大部分が農地あるいは牧草地として有効利用されている。
道路はこうしたアップダウンに沿って作られており、トンネルはない。羊や牛が草を食む牧草地のアップダウンが見渡す限り延々と続く。英国の自然の美しさを一言でいうならこうした様々な「緑色」であろう。
また、町並みの美しさも自然に劣らず素晴しい。家の素材である石の色はその土地土地で異なるが、デタッチド・ハウスという2件続きの長屋風の家の構造とその配色には統一感がある。多分、各条例で細かく外観、色とも規制しているのであろうが、この統一感がなんとも心地いい。コッツウォルツでは蜂蜜色の石材が、また北のほうでは赤のレンガが使われている。
さらに、よく見ると、PR看板はもちろんのこと、電柱、電線がまったくない。すべて地中化されている。さらに加えて、住民がこまめに住宅に手を入れていることと、草花で庭や玄関先を飾っていることが美しさの原因であることが分かる。
丁度5月から6月にかけてはガーデニングに忙しいシーズン。サンデー・マーケットでは草花の苗が沢山売られている。スローターズ、カッスル・クームなどコッツウォルツには中世の面影を残す美しい村が多いが、地域の美観を地域住民が大切にし、全員で保存している姿勢に頭が下がる思いがする。(続く)
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